人工知能と創造的活動

人間はその思考・思想といった脳内で起きていることも含めて全て物質的・物理的存在だ。
従って、その解明が為されればあとは技術的問題をクリアするだけで機械によって同じ働きをトレース出来る。
やがては脳科学が電子工学そのものとなるだろう。

コンピュータに出来ることは計算だけで、人間の感情や芸術は真似ることが出来ないかのように描かれることが多かったが、それら創造的活動も神経伝達物質のやり取りや電気信号によるものだから、原理的にはコンピュータによって再現することは可能だということ。
但し、創造的活動の源とも言える一見不条理・非論理的(それらも心に繋がる全てのパラメータを解析することが出来るなら単なる不合理でないことは判るはずだが)な思考をアルゴリズムによって再現したとき、それを創造と呼ぶのかどうかは、見た人間の基準による。
基準は環境によって大きく変化する。
動物のように見えるロボットを蹴ると可哀想だと思う人が既に存在する。
人間そっくりに造られたロボットが、哀しい顔をした人間の絵を描いたとき、そこに芸術性を評価する人も多く出てくるだろう。